若大将③プールバーの夜

遊び

僕は昭和徳(しょうかずのり)、慶応義塾大学自動車部の部長さ。若大将なんて呼ばれているけどね。いわゆるひとつの慶應ボーイってやつだね。
今日は青大将の挑戦を受けて、神楽坂のプールバーにやって来た。
青大将のシボレー・インパラに乗ってね。
しかし青大将もテールフィンというのかな、羽根の生えたでかいクルマが好きなんだねえ。ガソリンまき散らしながら走るクルマはもうはやらないんだけどなあ。

Abstract photos of a white cue ball

実はビリヤードには自信があるんだ。
原宿、竹下通りの入口にある玉突き屋、じゃなくてビリヤード場で四つ玉やスリークッションはよくやったものさ。小さなエプロンつけてね。
ポケットビリヤードは、パパがメンバーになっているクラブではよくやったね。バニーガールのいるクラブでね。

ここのところ、あちこちでプールバーというのが出来ているね。
それまで普通のバーだったところがいつのまにかプールバーになっちゃってる。
アメリカ映画に出て来るバーにはたいていポケットビリヤード台があるけれど、昔も今もね。映画「ターミネーター」でシュワちゃんが全裸で入る店にも当然あるし・・。
それで日本人は、これを流行りにしちゃうんだね。
映画「ハスラー2」の影響かな。

青大将と僕とで勝負したのはエイトボール。
キューをテーブルに転がして選んで、

Someone is chalking his cue-stick before he shoots the ball.

袋に入ったベビーパウダーみたいなのを指に付けて、
チョークを念入りに付けて、・・と。
バンキングして短クッションギリギリに止める。これがなかなかデリカシーが必要なんだ。
ノークッションファールじゃ目も当てられないから、思い切りよくブレイクショットをして、・・
無地のローボールか帯の入ったハイボールかどちらかをグループボールに決めて・・と。
コールショットでグループボールすべてポケットしたら8番ボールに挑戦!
難しいけどそこがまたやりがいのあるところさ。
あり得ないようなコールをして、成功したときはもう、快感!

僕はマッセは結構得意なんだよ、相当練習したからね。
羅紗を破ったら1センチいくらで弁償させられるから真剣だよ。ツギの入った羅紗はいただけないもの。
青大将は自信があったみたいだけれど、結局僕の勝ち。
だいたい青大将は咥えタバコでやるんだもの、あれじゃダメさ。
アメリカ映画の見すぎだよ。

悔しがって青大将が「じゃあナインボールで勝負だ」って言うんだ。
「ハスラー2」のトム・クルーズかポール・ニューマンのつもりかね。
ナインボールはとにかく9番ボールを先に落とせば勝ち、というギャンブル性のあるゲームなんだ。
何ゲーム目だったか、僕のブレイクショットでいきなり9番ボールがポケットしちゃって、青大将の悔しがることったらなかったね。

そんなこんなで、若大将と青大将の「プールバーの夜」はふけていくのであったのさ。


コメント

  1. yuzo2020 より:

    aaa

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