アパートの鍵貸します

映画

ハイみなさん、こんばんは。名画座・昭和のあるじ、昭和則(しょうかずのり)です。
今日の上映作品は皆さんお待ちかね、1960年の作品「アパートの鍵貸します」。
このしゃしん、いいですねー。主演がジャック・レモンシャーリー・マクレーン。男優賞と女優賞を取りましたねえ。

監督がビリー・ワイルダー。ヘップバーンの「麗しのサブリナ」「昼下りの情事」の監督ですよ。
マリリン・モンローの「七年目の浮気」、もちろんご存じですよねえ。地下鉄の通風口の上でスカートがめくれる、あのシーン・・この映画の監督もしてますねー。
この「アパートの鍵貸します」はワイルダー監督が10年温めたアイデアを映画にしているんですね。
ワイルダー監督はこの作品でアカデミー作品賞、アカデミー監督賞、アカデミー脚本賞を受賞しています。
1本の映画で一人の人物が3つのオスカーを受賞したのは、この時が史上初なんですねえ。

出演のジャック・レモン。
同じくワイルダー監督でモンローと「お熱いのがお好き」で共演しています。女装していますねえ。上手いですねー、笑わせてくれました。一流の喜劇役者ですねえ。
この人、ハーバード大学卒業なんですね、そうなんです、アイビーリーガーなんですよ。
この映画でもボタンダウン・シャツ、ナローショルダーのスーツ、ツイルのステンカラー・コート、頭は8:2分けのアイビーカットで決めています。

そしてシャーリー・マクレーン。伊勢湾台風の時、日本の小学校にピアノを寄付してくれました。

お話は、独身のサラリーマンがアパートを上司達の情事の場所として使われる、という哀しいものなんですが。・・

映画を見るとこれがなかなか味のある、とても面白いお話なんです。さすがワイルダー、レモン、マクレーンですねえ。

まず、レモン扮する独身サラリーマン・バドが勤めるのがニューヨークにある保険会社の本社。

社員3万人以上、奥まで見えないほどの巨大オフィス、社員が使うエレベーターが16台でそれぞれにエレベーターガールがいるなんて、日本とはスケールが違いますよねえ。
シャーリー・マクレーン扮するエレベーターガール・フランのボタンの押し方もしゃれていますよね。

セントラルパークの近くにあるアパートというのも洒落ていますよ。ビクトリア調言うんですか、日本のアパートとはちょっと違いますねえ。

ひとり侘しく食べる夕食が、あれTVディナー言うんですか、アルミ箔で出来たトレーに乗っているやつ。ちょっとマネしたくなりますね。
それと、スパゲッティの湯切りをテニスラケットでやるなんて、誰が考えたんですかねえ。面白いですねえ。

ジャック・レモンのコミカルで哀しい演技と、シャーリー・マクレーンの一途で、可愛くて、きっぱりとした演技。
そしてビリー・ワイルダー監督の緻密で洒落た演出、まあ皆さんご覧になって下さい。満足していただけると思います。

やがて、フランが哀しい不倫の結末を迎えて、バドの愛情に気付き、二人は結ばれる・・というお話なんですが、見終わった後、とても幸せな気分に浸れますよ。

ハイ時間来ました。それでは次週をご期待下さい。
サヨナラサヨナラサヨナラ


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