映画とダッフル

お洒落

皆様、昭和子(しょうわこ)の「映画でお洒落を」のお時間で御座います。

さて、今日の映画は封切りされたばかりの「ナバロンの要塞」です。
殿方向けの映画なのですが、素敵な男性達が出演しているので、わたくしもついつい観てしまったのです。
・・例えば・・
グレゴリー・ペック--勿論ご存じですわね。「ローマの休日」でアン王女の恋のお相手を務めたアメリカ人新聞記者。
デビット・ニーブン--「悲しみよこんにちは」でセシールのパパを演じた素敵なおじ様。

アンソニー・クイン--♪ジェルソミ~ナ ジェルソミ~ナ♪の名作「」のあのザンパノです。

第二次大戦のさ中、ナチの巨大な大砲を破壊するという極秘任務を帯びた、連合国側の特殊チームのお話。
・・て言うとちょっとテレビの「スパイ大作戦」みたいですわね。
ナレーション「・・実行不可能な指令を受け、頭脳と体力の限りを尽くしてこれを遂行する、プロフェッショナル達の秘密機関の活躍である」
「おはようフェルプス君・・そこで君の使命だが・・ことにある。例によって君、もしくは君の部下に万が一のことがあっても当局は一切関知しないのでそのつもりで。なお、このテープは自動的に消滅する。」

♪チャッチャッチャ チャッチャッチャッチャッ♪
♪ヒュルリ~ ヒュルリ~♪
あら、お調子に乗ってはいけませんわね。御免あそばせ。

ナバロンの要塞」にお話を戻しましょう。
メンバーが変装してナチの基地に潜り込んだり、とか色々ありまして、ハラハラドキドキするシーンが続いた後に、遂に作戦成功!
ジブラルタル海峡を通る連合国側の船を狙えるという、ナチの巨大な大砲が崖の基地から崩れ落ちるという息を飲む大スペクタクルシーンでクライマックスを迎えます。
プールを使ったとは思えない特撮の腕のサエ!本物のような見応えですわ。

さてここからが本題のお洒落のお話です。
この作戦成功をイギリスの軍艦から眺める生き残りメンバーが着ているのが、今日のお話の「ダッフルコート」です。

そもそもダッフルコートの由来ですが・・
寒さ厳しいヨーロッパ北部の海で働く漁師さん。
夫の為に奥さん方が手持ちの材料で暖かいコートを作ってあげようというので・・
生地は船に積んでいる厚手の毛布。ボタンは、漁の網についている小さな木の浮き(トグル)と、やはり網に使うロープで作ったのです。こうすれば厚い手袋でもはめたり外したりしやすいし、風向きによっては右前にも左前にも着られる。フードを付けて、肩は二重にして雪や寒風にも耐えられるようにもなっている。・・というコートなのです。

これに目を付けたイギリス海軍が軍服として取り入れたのですね。アメリカ海軍はピーコート、イギリス海軍はダッフルコートという訳です。

わたくしはもちろん戦争反対ですし、ナチのやったことは許せないことだとは思います。
でも正直なところ、軍服ってかっこいいですよね。
ナチも軍服だけはかっこいいんですよね。特にあの長靴(ちょうか)。ブーツと言わずにちょうか、なんてしつこくて御免なさい。

それでこのイギリス海軍の軍服であるダッフルコート。
けっして仕立てが良いわけでもなく、生地もザラザラ、ゴワゴワ、軍服ですからね。
「身体に服を合わせるんじゃない!服に身体を合わせるのが軍服ってものだ!」なんて上官に言われて着るような・・。
そうなんです、ザラザラ、ゴワゴワの軍用毛布を纏っているような感じが良いのですよ。
そしてイギリス海軍御用達で請け負ったのがチベットというメーカーです。私はいち早くこれを手に入れてますの。
さてこのダッフルの着こなし方ですが、間違ってもお子様向けのカジュアルコートにしてもらっては困ります。

殿方ならタキシードとは言わないまでも、ダークスーツに合わせるコートとお考え下さい。まあコートがとても暖かいので、フランネルのスーツよりもいっそ、トロピカルウールのスーツの方が良かろうかとも思います。

さて主題はこのごつい軍服を女性が着たら・・というお話です。実はこれが私のお気に入りなんです。
一番上、つまり外側はごつく、中になるほどフェミニンで華奢なものにするというのがコツなんですの。
ごついダッフルとバランスを取るために、靴はジョッパーブーツがお薦め。ナチの長靴と言う訳にはまいりませんから・・
スニーカーなんてお薦め出来ません。

そしてインナーにはシルクの花柄、フェミニンなワンピースなど如何でしょう?私はシルクふうの化繊で我慢していますが、何といってもシルクにはかないませんね。
ここで思い切って、超ミニのスカートにしてみるのも良いものですわよ、私のように。
そしてその内側はもっとフェミニンで華奢になさって下さい。内側って、・・下着のことですよ、いやあねえ。私のようになさったら、ってどうしてるのかって?ご想像におまかせしますわ、ホホホホホ。如何ですかこんな着こなし、殿方もドキドキしませんこと?

大戦が終わってこの軍服が放出され、それをアメリカの学生たちが着たのが一般に広まるきっかけになったと言われています。

この間銀座六丁目で、私が手に入れたものに近いダッフルコートを見つけましたの。
電通の隣りにある「メンズウエア」というお店です。
電通と言えば資生堂とともに、NHKの「若い季節」の舞台のモデルになっておりますわね。ご覧になられています?

皆様本当に、映画ってとってもお洒落のお手本になると思いませんか?
さて、お時間が来たようです。
では、次の機会まで御機嫌よう、御免あそばせ。


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