皆様、昭和昌(しょうかずまさ)の「映画でクルマを」のお時間でございます。映画には雰囲気を盛り上げるのに欠かせない面白いクルマが色々登場します。そんなクルマを取り上げてお話をしたいと思います。
今日の映画は1968年の作品「ブリット(Bullitt)」、クルマは「フォードマスタングGT390ファストバック」でございます。
スティーブ・マックイーン演じるサンフランシスコ市警察本部捜査課のブリット警部補。
チャルマース上院議員からの依頼を受け、マフィア組員の証人保護を引き受けますが・・これには色々ウラがあって・・
マフィアから送りこまれた殺し屋2人組と死闘を繰り広げたりします。
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Three pistols laying on table with bullets
マックイーンはこの作品を「劇場映画」ではなく「現実についての映画」にしたかった、と言っています。
監督のピーター・イェーツの演出も徹底したリアリズム重視。
マックイーンを始めとした出演者のセリフは無駄が無く、表情や行動でたくみな心理描写をしています。
撮影もオープンセットを使わないで、すべてロケで通したそうです。
そしてリアリティの極みが伝説的なカーチェイスの場面です。
マフィアの殺し屋2人組の乗るマッスルカー「1968年型ダッジ・チャージャー」とブリット刑事が操る「フォードマスタングGT390ファストバック」。
坂道の多いサンフランシスコの市街地でのデッドヒート。
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San francisco Hyde Street Cable Car Tram of the Powell-Hyde in California USA
上り坂の頂点から下りに移る場所では当然クルマはジャンプ。ボディーをこすって火花を散らします。
カースタントのスタッフはいたのですが、マックイーンのクローズアップシーンはすべて自身の運転。なにしろ『栄光のル・マン』を作った人ですから。一方のダッジ・チャージャーを運転しているのは、殺し屋役を兼ねたカー・スタントマン、ビル・ヒックマン。
「フレンチ・コネクション」での地下鉄・高架線下のカーチェイスもこの人のスタントですね。
余談ですが街中でのシーン、ブリット刑事は縦列駐車もルームミラーを見るだけで一発で決めてしまいます。運転のヘタな私には神業に見えてしまいますね。
しかしファストバックというのはかっこいいですね。
日本でも「プラス100ccの余裕」で売り出したカローラにファストバックの「カローラ・スプリンター」が追加されましたね。
マスタングに刺激されたかどうか分かりませんが、
今度「フルチョイスシステム方式」を採用したトヨタ・セリカが発売されるそうです。スペシャリティカーと言うんだそうですが、人気が出そうですね。
マックイーンはブリット刑事の役柄を作るために
評判になっていたサンフランシスコ市警のデイヴ・トースキーという実在の刑事を参考にしたそうです。
随所に登場するショルダー・ホルスターはトースキー刑事が実際に使っているものだとか。
トースキー刑事は「ダーティハリー」のモデルにもなっていますね。
さて、お時間がまいりました。
次回またお目にかかりましょう。
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